専門的寄りチーム 第5回

AIが使いやすい
環境のつくり方

~ フォルダ・ファイル・リポジトリ編 ~

プロンプトの前に、"置き方"を整える

所要 20分 / 機能の話は今日はナシ

今日のゴール

持って帰ってほしいのは、たった1行

AIの精度は、プロンプトの巧さより
「情報の置き方」で決まる。

  • AIが使いやすいフォルダ・ファイルの整え方
  • 整えると、AIの答えが実際どう変わるか(実演)
  • 自分の業務で、今週やる「最初の一手」
なぜ環境が要るか

「いい感じにまとめといて」問題

"この前のあれ、
いい感じにまとめといて

人間でも、こう言われたら困る

  • いつの話? 何のこと? 何のため?
  • どのくらい詳しく? 完成形は文章? 表?
  • どこに保存する?

散らかった机では、名人も料理できない。
AIに渡す「机の上」を整えるのが先。

実演①

同じ依頼でも、環境で答えが変わる

依頼(両方とも同じ) 「先月の問い合わせで多かった内容をまとめて」
散らかった環境

渡すもの
デスクトップに スクショ1.png / 名称未設定.txt / コピー_最新_本当.xlsx がバラバラ

AIの反応
「画像の文字が読めない」「対象期間が不明」「最新版が判断できない」

結果使えない・やり直し

整った環境

渡すもの
問い合わせ分析/2026-05/inquiries_202605.csv + 目的メモ

AIの反応
カテゴリ別の件数・上位3傾向・前月比まで的確に回答

結果そのまま使える

AIが変わったわけじゃない。渡す「環境」が変わっただけ。
整え方の本体

AIが使いやすい環境=6つの置き場

難しく言うと「情報が整理された状態」、かんたんに言うと「作業台が整った状態」

#置き場かんたんに言うと整え方の例
材料AIに渡す情報議事録・FAQ・数値データを"読める形"に
置き場材料の保存場所業務ごとのフォルダ/スプレッドシート
お願い頼み方のひな形入力テンプレを1枚用意
任せる範囲AIにやらせること要約・分類・下書き・チェック
確認人間が見る所日時・金額・URL・誤解リスク
納品先完成物の置き場成果物フォルダ・台帳

今日は特に ①材料・②置き場 を深掘りする(ここが9割)

フォルダ

AIが使いやすい「フォルダ」6ルール

1

業務ごとに分ける

何でも1か所に放り込まない

2

1ファイル=1テーマ

巨大な"なんでもメモ"を作らない

3

名前で中身が分かる

20260603_告知文_テンプレ.md

4

最新版がどれか分かる

古いものは archive/ へ。最新を1つに

5

「目的メモ」を1枚置く

そのフォルダの"地図"になる

6

材料と成果物を分ける

入口と出口を混ぜない

ファイル

AIが読みやすい「ファイルの形」

読みやすい形
  • Markdown手順書・議事録・ルール・テンプレ
  • スプレッドシート一覧・進捗管理・チェックリスト
  • CSVアンケート・ログ・数値データ
  • テキスト文字起こし・チャットログ・下書き
  • 箇条書き条件整理・要件整理・確認項目
読みづらい状態
  • スクショだけ(文字が読み取りにくい)
  • チャットに情報が流れたまま
  • ファイル名が曖昧/最新版が不明
  • 似た資料が何個もある
  • 目的が書かれていない

ポイントは 「画像より文字」。スクショより、テキスト・表にするだけでAIは断然読みやすい。

名前と最新版

地味だけど効く「名前」と「最新版」

ファイル名のつけ方

名称未設定.txt
コピー_最新_本当にこれ.xlsx
IMG_2034.png

20260603_セミナー進捗_テンプレ.md
日付+内容=見ただけで分かる・並べ替えで時系列

最新版の管理

  • 最新版は1つだけ、目立つ場所に
  • 古い版は archive/ フォルダへ移す
  • 「これが最新」と分かる状態を保つ

AIに「最新版を見て」と言わなくても、最新版が1つなら迷わない

リポジトリ

リポジトリ=「整った共有棚」

リポジトリ = みんなで使える、整理された共有フォルダ
(しかも、いつ・誰が・何を変えたか履歴が残る)

どこに何があるか決まっている

チーム全員が同じ場所を見る

「あの人しか分からない」が起きない

自分のPC・頭の中 から 脱出する → 整った共有棚に置けば、誰が来ても同じようにAIを使える
実演②

自分の業務でやると、こう変わる

メンバー散らかった渡し方整った渡し方 → AIの働き
ナオキ配信URLだけ渡す文字起こしを 配信ログ/ にtxtで置く → ネタ候補・構成案が出る
ウサ子Chatworkのスクショテキスト化+進捗スプレッドシート → 滞留フェーズを抽出
りゅー過去FAQをその場で探すFAQを faq/ にMarkdownで整理 → 関連回答を候補出し
テツ数値をスクショで貼る実績をCSVで 広告実績/2026-05/ に → 集計・異常値を検出
Meruバグ報告がチャットに散在バグ票をスプレッドシートに集約 → 傾向・再発条件を抽出
共通点:材料を「読める形」「決まった場所」に置いただけ。
総まとめ

Before / After 総まとめ

Before(散らかった環境)After(整った環境)
フォルダデスクトップに全部業務ごとに分かれている
ファイルスクショ・最新版不明Markdown/CSVで整理・最新が1つ
名前名称未設定・IMG_2034日付+内容で分かる
場所自分のPC・頭の中チームの共有棚
AIの働き迷う・聞き返す・的外れ的確・速い・そのまま使える
他の人その人しか使えない誰でも同じように使える
環境を整える = AIが動く他の人も使える(属人化が消える)
6月にやること

6月のミッション

チームの困りごとを2つ以上見つけて、
そのうち1つは「AIが使いやすい環境」に整える。

1つ目

小さく整える

スクショをテキスト化、ファイル名を整える

2つ目

環境として整える

業務フォルダを作り、材料をMarkdown/CSVで集め、目的メモを置く

すごい自動化はいらない。「人が迷わず使える置き方」に整えたら、それで合格

今週のアクション

今週やる「最初の3手」

1

業務を1つ選ぶ

毎回AIに同じ説明をしている業務がねらい目

2

材料を1つのフォルダに集めて"読める形"にする

スクショ→テキスト/表に・最新版を1つに(古いのは archive/)・ファイル名を「日付+内容」に

3

フォルダに「目的メモ」を1枚置く

何の業務か/何が入っているか/AIに何を頼むか

この3手だけで、AIの答えが変わるのを体感できる

状態の対比

目指す状態/避けたい状態

目指す状態
  • 他の人も使える
  • 材料の場所が決まっている
  • 最新版が1つに保たれている
  • 読める形(文字・表)で置いてある
  • 目的メモがある
避けたい状態
  • 自分だけが使える
  • どこにあるか分からない
  • 最新版が複数あって混乱
  • スクショ・チャット流しっぱなし
  • 口頭でしか分からない
今日の合言葉
1

AIの精度は、プロンプトより
「情報の置き方」で決まる。

2

環境を整えることは、
自分の便利を、チームの便利に変えること。

配布資料

環境セルフチェックシート(持ち帰り用)

フォルダ

業務ごとにフォルダが分かれている
材料置き場と成果物置き場が分かれている
フォルダに「目的メモ」がある

ファイル

スクショでなく文字・表で置いてある
1ファイル=1テーマになっている
ファイル名で中身が分かる(日付+内容)
最新版が1つに保たれている(古い版は archive/)

共有

チームが見られる場所にある
他の人が見て「どこに何があるか」分かる

Before / After(同じ依頼で試す)

整える前のAIの答え:____________
整えた後のAIの答え:____________
イントロ2分
1 / 16
話者メモ